こんにちは。時代屋オウンウェイ佐藤です。

暑くなったり寒くなったりが続いておりますが、皆様体調は崩されてませんでしょうか。

今回のブログは、私の会社員時代に経験したことを少しだけ綴らせていただければと思います。

私は2010年に三井住友ファイナンス&リース(株)に入社し、医療業界向けの営業部署に配属されました。

入社一年目は仕事を覚えることに必死であったのと、新しい世界に興味津々でフレッシュな気持ちで仕事をしていました。

そんな私に転機が訪れたのは3年目の時。業務に慣れ始めた時にやってくるアレです。それは

「マンネリと慢心」

私の怠慢な営業によって、お客様に取り返しのつかない損害を与えてしまったのです。

普段、阿修羅のように怒っていた部長が、この時だけは優しくなった時に、事の重大さに気づきました。

それから半年間は文字通り地獄の日々です。
お客様は勿論、社内のありとあらゆる人から怒られ瀕死状態でした。笑
部長からはお前の仕事は明日会社に来ることだと言われる状態です。

こんな所で会社員人生が終わってしまうのかと本気で思ってましたが、周囲に助けられなんとか営業を続けることが出来ました。
(それでも訓戒の懲戒処分は免れませんでしたが)

1年程度経った後、泥水を啜る勢いで営業を行っていた私が、ミスを犯した病院と大型案件の契約を締結する際、理事長に掛けられた言葉が今でも深く残ってます。それは

「私は医者という失敗してはならない職業でありながら、数々の失敗を経験してきた。
成功は何も生み出さない。
もし君が今の会社で不当な扱いを受けるのならば、うちに来てくれ。
私は失敗した人間を歓迎する。」

隣にいた部長は苦笑いしていましたが、私は理事長の懐の深さに感銘を受けたのと同時に、「成功は何も生み出さない」という言葉にどこか違和感を感じていました。
成功することで得られるものもあるのではないかと。

時は流れ、営業歴10年という節目を迎える少し前に、階層社会学に「無能の階段」(ピーターの法則)という定説を発見しました。これは

あらゆる有効な手段は、より困難な問題に次々と応用され、やがては失敗する

という説です。

実社会の組織に適用すると、階層組織の構成員はやがて有効に仕事ができる最高の地位まで達し、その後さらに昇進すると無能になると。

中学3年生のエースピッチャーが高校1年生になると球拾いになり、
甲子園のヒーローがプロ野球に入るとプロの洗礼を受け、
プロ野球殿堂入りした名選手でも監督になり、負け続ければ叩かれる。といったところでしょうか。

思えば、私も副主任から主任に昇格するタイミングが一番評価が高かったかもしれません。

成功による歓喜の瞬間や他者からの羨望の眼差しは一瞬で、その後待っているものは次のステージ(環境や階層)での自分の非力さと失敗との戦いなのかもしれません。

ミスや自分の非力さを受け入れた上で、周りに力を借りながら、遠回りをしてでも登り続ける事で、気づいたら思ったより高いところにいるのかもしれませんね。
そう考えればどんな状況でも楽しめる気がします。

最後に私の尊敬する人物の言葉でお別れとさせて頂きたいと思います。

皆様のご来店を心よりお待ちしております。

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

                   野村 克也