お久しぶりです。川崎店の大友です。

日増しに寒さもつのる今日この頃、皆さま体調などは崩されていないでしょうか。冷えは万病の元と言いますから、寒さ対策を万全にどうかご自愛ください。

Pretender – ふりをする人、詐称者

先日、私はバカルディレガシー カクテルコンペティションを見に行きました。出場された全てのバーテンダーが素晴らしい演技をしていたのですが、中でもとりわけ印象に残った人が。

その方は、名前を呼ばれステージに立つ瞬間から力強いオーラを感じました。カクテルのプレゼンも完璧で、作る際の所作も無駄がなく美しい。相当の練習をされたのだと思います。

しばらく演技に見惚れていると、その方の手元がスクリーンに映され、あることに気付きました。材料をシェイカーに注ぐ手が震えていたのです。カクテルコンペは見ているだけでも緊張するのですから、出場される方の緊張が尋常でないことは自明です。それでも、力強い言葉を発し、素晴らしい演技をしているこの人が、手を震わせるまでに緊張していることに内心驚きました。私の目に映るその人の振る舞いは、まさしく自信に満ち溢れたバーテンダーのそれだったのです。そのような緊張感の中、演技はミスなく終わり、私はその日一番の拍手をしたと思います。

唐突ですが、私は勤勉であったり真面目な人間ではありません。幼い頃からサボり癖があり、高校生の頃は、同学年で最も勉強に時間を費やしていない自信があります。今でこそそんな時間はありませんが、日に10時間寝ていることも珍しくありませんでした。人間を罪に導くとされる七つの大罪のうち、怠惰が9割を占めているような男です。

それが、時代屋に勤め始めてから2年が経ち、ほんの少しずつ変わってきたと感じております。人間性の根っこの部分は、まだそこまで変わっていないかもしれません。でも、色々な方と接してきた中で、確実に好転したものがたくさんあります。先輩、後輩、そしてお客様に助けられ今の今まで続けてこられました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

毎日失敗と反省を繰り返し、まだまだ不真面目を拭いきれない人間ではありますが、“ちゃんとした人”に見られ、この人に接客されたいと思われるよう、意識を持ち続けていくつもりです。その為には、日常の立ち居振る舞いから改善していかねばなりません。最初は“ちゃんとした人”の振りをする人間でも、それを続けることで、いつか本当に、人を愛し人に愛される人間になれることを信じています。

皆さまどうぞ、これからもよろしくお願いいたします。