ウィスキーを好きになってから、一度は行ってみたいと、いつの日からか夢見るようになっていました。

聖地アイラ。

香りの原料となるピート(泥炭)で構成されたそのウィスキーの宝島は、厳かな雰囲気とシンプルな淋しさの共存する、美しい片田舎でした。

不機嫌な空と、凸凹の道路と、点在する羊

という景色がどこまでも続いていました。年間を通して晴れることが少ない灰色の空は、この島の基本気候。ピートの上に道を作っても真っ直ぐにはならず、すぐに歪んでしまうとのことです。

人口3000人に対して羊の数は70000匹。食べてよし、毛皮にするもよし、羊は生活の必需品として欠かせない動物のようです。

森の中や山奥のにある蒸留所はいくつも見てきましたが、海沿いに建つ蒸留所はやはり圧巻でした。ウィスキーの教本によく出てくるその光景を目の当たりにし、心が躍りました。

厳しい寒さと、止むことない強烈な潮風。過酷な環境で作られるパワフルな力強いモルト。そのリアルを体感出来たこと嬉しさに、悴んだ指の冷たささえ快感を覚えました。

私にとって、何度となく思いを馳せながら飲んできた、思い出深いアイラモルトです。

友人と再会した時も、新居で一人暮らしを始めた時も、子供が生まれた時も、会社員をやめてバーテンダーの道を決意した時も・・

一つ口にすると、面食らうほどの強烈な個性。世界のウィスキーファン達を魅了して止まない、中毒性すら感じさせるそのテイストに、私も魅せられた一人でした。

それを現地でティスティング出来たこと、作っている人たちのリアルな現場の声を頂けた事、アイラそのものを肌で感じることが出来た、一生ものの研修旅行となりました。

この度、企画に協賛頂いたディアジオ様、アテンド頂いた石渡様、本当にありがとうございました。

この旅で培ったものを、思い出と一緒に大切にしながら、後世に伝え続けていきたいと思います。

ウイスキーについて、少し得意なお話が出来るようになりました。語り出すと止まらなくなってしまいそうなので、たくさんの思いを込めて一言でまとめます。

『アイラ、素敵なところでしたよ』
と。

筒井