進藤 伸二様の声をご紹介します(公開00/07/01)


ひとりは、孤独か?


みなさんは、ひとりで飲食店に入ったことがありますか。  
飲食店には、ひとりで入りやすい店と、そうでない店がある。
マクドナルド。これは、OK。
牛丼屋。ここは大勢で行くところじゃないですね。
回転寿司。これも、ひとりのお客さんを見かける。
では、普通の寿司屋。これは、ちょっと勇気がいりますね。
焼き肉屋。これは、もっと勇気が必要。4人掛けのテーブルを
ひとりで占領することになるから、ヒンシュクを買いそうだ。
ボクは、これらの飲食店にひとりで入った経験があります。

では、酒はどうか。
まず、居酒屋。ちょっと行きにくいけど、行ったことはある。
いま流行のカフェ。これは、ますますダメ。ボクにはひとりで
行く勇気はありません。
バー。これはぜんぜんOK。
グラスの氷をカラカラと回しながら、マッカランをチビチビと
なめる。BGMに流れるバド・バウエルのピアノが心地よい。
煙草にゆっくり火を着ければ、気分はハードボイルドだ。
これが居酒屋だと、そうはいかない。
お通しのモズクを箸で突つきながら、手酌で熱燗。この手酌が
なんとも淋しい。マグロの刺身をつつき、肉ジャガを追加し、
焼き鳥を頬張る。何だか食べてばかりだ。有線放送の民謡が孤
独感をあおり、気分はすっかり演歌の主人公になってしまう。
やっぱり、ひとりで飲むならバーですね。バーはひとりで酒を
飲むためにある、と言っても過言ではない。バーのカウンター
で女の子とシミジミ飲むのもいいけど、ひとり黙々と酒を呷る
のも、なかなかいいもんだ。

ひとりは、酒をじっくり味わえる。
ひとりは、誰にも気を使わなくていい。
ひとりは、自分と話し合える貴重な時間。
でも、ひとりで飲むとき、バーならどこでもいいわけではない。
ひとりで飲むバーには、いくつか条件がある。
まず酒がそろっていること。未知の酒が多ければ、多いほど、
退屈することがないからです。
あまり騒がしくないこと。
まわりが酔っ払いの団体ばかりだと、ひとりがみじめになる。
また、BGMが大きいすぎる店は、自然とお客さんの話し声が
大きくなり、ますますうるさくなる。これもNGです。
そして、これが大切。
ほどよく気に欠けてくれて、ほどよく無視してくれる、プロの
バーテンダーがいること。
まったく相手にされないと、無視されているようで居づらい。
かといって、ホステスのようにベッタリ前にいたり、ミョー
に饒舌すぎるのも、落ち着かない。こちらの気持をさりげなく
察知してくれると、うれしいものです。

あなたが、もし“ひとりバー”のバージンなら、ぜひ一度、
体験してみることをおすすめします。
もちろん時代屋は、ひとりでも飲み心地のいいバーですよ。