「そば屋で一杯」

 今回は私、梅田が最近はまり気味にある「おそば屋」について話したいと思います。

なぜはまり気味なのか?なぜ「おそば屋」なのか?というとちょうど一年前くらい前かと思いますが、ある雑誌の特集で「おそば屋」で蕎麦を肴に良い酒を飲むという特集がありました。タイトルもまた<そば屋で一杯>と非常に興味をそそられ雑誌の特集の思惑通りに休みの日にいろいろなところへ足を向けるようになりました。皆さんは「おそば屋」というとどんなイメージを持っていますか?仕事の忙しいとき早く、お手軽に食事を済ますことのできる場所、休日昼時の出前、引っ越し、そんな手軽で簡単とゆうイメージが強いと思います。私もそうでした、でもちがうんです。「おそば屋」は蕎麦だけではないんです。厚焼き玉子、板わさ、鴨、天麩羅などなどいろいろあるんです。当たり前だ!と思っている人も多いと思いますが、でもちがうんです。玉子焼きでもだしは関西風の昆布か、東京風でも辛口の本節、こくのある宗太節、甘口の鯖節なのかと深いんです。バーでいうならカクテルの王様マティーニでしょう。だし=ベルモットなんて考えるとベルモットは何を使うのか?ベルモットの分量は?ベルモットはリンスするのか?同じように深いんです。少し語りましたが私が「おそば屋」にいって必ず注文するものが玉子焼きなのです。お店に入り、冷や酒と玉子焼き、虎魚の唐揚げなどを頼み最後にせいろ。少し長居をするようであれば蕎麦焼酎を蕎麦湯割りにして飲んだりしてしまっています。えせおやじもいいところなのですが・・・。

何件も「おそば屋」に行きましたが最も感動したのが目黒の某所にある小さな目立たない「おそば屋」でした。そのお店は「おそば屋」というよりは蕎麦料理屋といった方が良いほど肴のメニューが充実していて蕎麦懐石あり、冬には鍋あり、裏メニューとして様々な日本酒、焼酎がありました。良いお酒と良い肴、静かな空間、まるでバーでゆっくりと飲んでいる感覚で私のハートをぐっとつかむお店でした。おすすめはやはり玉子焼きです。なぜなら玉子だけでなく野菜が細かく入っていたのです。純粋な玉子焼きではないですがただ者じゃないくらいおいしい。興味のある方は梅田まで。

皆さんもドラマや映画でもお見かけするとは思いますが、時代劇には居酒屋のシーンが余り見られることはなく、「おそば屋」で日本酒やつまみを食べせいろでおあいそというシーンをお見かけするとは思いますが、そちらでご覧になるように「おそば屋」が時代を経て居酒屋へと変化しウイスキーやカクテル、洋酒の流通や文化の吸収により、バーが増え近年では和食ダイニングバーや和のテイストを取り込んだバーも増え共通することも多いと思います。いわば現在の酒場のルーツは「おそば屋」でもあるといえるでしょう。ただし私は歴史学者でないので断言はできませんが・・・。

こんな風にわたしは「おそば屋」に通うようになってしまいました。皆さんも休日の夕暮れ、居酒屋で、バーで飲む前に「おそば屋」で蕎麦を肴に軽く一杯飲まれてみてはどうですか?とても気持ち良いですよ。